第17話 学内演習

わたしのこと

週に1回の学内演習は、大嫌いだった。

内容どうこうより、教員に見張られているという緊張感が何より苦手だった。

数名の教員が担当していて、顔ぶれはその時々で変わる。授業が始まってようやく担当教員が判明するのだ。

めちゃくちゃ怖い教員、死ぬほど怖い教員、厳しすぎて震える教員……そして、ごく稀に天使もいた。


🧼二人一組での演習

実習は学生同士、だいたい二人一組で患者役と看護師役をそれぞれ実施した。

内容はベッドメーキングや清拭、洗髪、血圧測定など。

基礎を叩き込まれるので、ベッドメーキングではシーツを何枚も捌いて、ベッドの四隅は三角に折り込んで……。

とまぁ、現場でそんなことやってたら一生シーツ交換終わらんやろ、っていう感じだった。

ちなみに、これら演習室での実技は、教員に合格をもらえないと病院実習に連れて行ってもらえない。

だから放課後も、友達同士で練習していた。

心が折れそうだった。


🫧洗髪中のハプニング

衝撃的だったのは、全身清拭の演習。

患者役はパンツ一丁で挑むのだ。布団を被せてもらえるとはいえ、看護学生同士、そんなに上手に隠せるわけではない。

患者の羞恥心も体験するという目的があったようだが、いやーー、これは本当に嫌な思い出だ。

そして、洗髪の回。

美容院にあるような洗髪台に寝かされるのだが、私が患者役をしているとき、「あれ?なんかしんどいかも……」と思った。

看護師役の友達に「先生にしんどいって伝えて」と言うと、やってきた教員が血相を変えて血圧測定をした。

顔色が悪く、なんと上の血圧(収縮期血圧)は70mmHgを切っていたらしい。

他の教員も私の周りに集結し、ショック体位(足を高くして血流を戻す体勢)を取らされた。

残念ながら、洗髪途中で髪の毛は濡れており、寒かった。

おそらく初めての洗髪で時間がかかりすぎたことや、私自身も過緊張になっていたことが原因で、迷走神経反射を起こしたのだろう。

今となっては笑い話だけど、あのときは本気で倒れるかと思った。

その演習のあと、あまり話したことのない教員からも「大丈夫だった?」と声をかけられた。

結構大ごとになっていたのかもしれない。


📚レポート地獄の日々

演習はもちろん、レポート提出もあった。しかも文字もイラストも手書き限定。

インターネット検索も禁止、引用参考文献は教科書か参考書のみ。

「何十年前の学び舎やねん!」と突っ込みたくなるようなルールで、演習後のレポートにも骨が折れた。

提出してもたくさんの赤ペンで返却され、何ターンかのやりとりをする必要があった。

その間、家のことは最低限のことしかできなかった。

幸い、夫が掃除や洗濯を手伝ってくれていたし、ひとりっ子の息子は一人遊びに長けていた。

本当に助けられていたと思う。

まるる

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