第7話 高専生になった息子

息子のこと

息子が入学した高専では、学生のほとんどが寮生活。
うちも家から通うとすれば前日に出発しなければならない距離だったので、寮一択だった。


🏠 寮生活スタート

高専の寮は、1・2年生が二人部屋。
なんと部屋代は月700円。激安。

部屋のドアを開けた瞬間、思わず「狭っ!!」と声が出た。
両サイドにベッドと机が並び、あとは必要最低限の荷物を置けるスペースのみ。

入寮日、部屋を開けるとすでに同室の子がいた。
ひと目で「好青年!」とわかる清潔感。
そして何より、オタクオーラがない!(高専では結構貴重)

――これは「ルームメイトガチャ、超当たりやな」。

結果的に、彼が息子を何度も助けてくれた。
1年生のときも留年危機があったのだが、救ってくれたのはこのルームメイト。
休学後も仲良くしてくれていて、本当に良い子だ。


⏰ 寮の1日スケジュール

時間内容備考
7:20点呼指導寮生(先輩)のスマホにICカードをかざす
7:30~8:30朝食パンかご飯を選択
8:30登校
12:00~12:55昼食2つのメニューから選択
18:00~19:30夕食同上
18:00~21:30入浴低学年用・高学年用浴室あり。18:30〜19:00ごろ激混み
19:30~20:40自習自室でもOK。拘束なし
20:45門限以降の外出不可(それまでは自由)
20:50~21:00点呼ICカードをかざす
点呼後清掃共用部分を毎日担当
23:00就寝ブレーカー消灯。定期試験2週間前は延長OK

👋 入寮の日

荷物を運び終え、いよいよお別れ。
「大丈夫かな、やっていけるかな」と心配する私をよそに、息子は淡々。

「頑張ってね!」
「うん。」(←思春期特有のそっけなさ)

涙こそ出なかったが、今生の別れのつもりだった。

……が、すぐにLINEがきた。

「ペットボトルのお茶(箱で)とカラーボックスがほしい。」

え?もう!?

まず思ったのは、「そんな簡単に持って行けるの?」だった。
でも結論、全然問題なく行けた。

寮母さんや面会制限など、厳しいイメージがあったけど実際はかなり柔軟。
頼まれたものを届けて、再び「頑張ってね!」「うん」。
本日2回目の今生の別れ。


🎓 入学式

翌日が入学式だったので、私は近くのホテルに宿泊。
(夫は新年度早々、2日も休めず帰宅)

4月とはいえ、体育館の中は凍えるような寒さ。
制服のない高専では、新入生はそれぞれ中学の制服で出席。

「最初が肝心や!」と入学前に美容室へ連れて行った結果、
息子は半分金髪。
遠目からでも一発で見つけられた。

集合写真を撮ったあとは、すぐに寮へ戻る。
「門の前で親子ツーショット」みたいなシーンは、なし。


🧑‍🏫 担任との出会い

保護者は教室に案内され、担任の先生から一言。

「特に問題なく過ごされた場合、
僕と会うのは今日が最初で最後になる保護者の方も多いと思います。」

なるほど。
小・中学生のように三者面談も家庭訪問もないし、そういうものかと思った。

――けれど結果的に、
1年時の担任の先生とは、メール・電話・面談と
それはそれは密に関わっていただくこととなる。
この時の私は、もちろん知る由もない。


まるる

👉次回 高専1年生前期

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