第9話 高専1年生後期

息子のこと

高専の夏休みは、8月から9月中旬まで。
夏休み中は寮の清掃があったり、休み明けに部屋替えがあったりする。
そのため一度「閉寮」となる。

閉寮は春休みと夏休みにあり、
寮に持ち込んだ荷物をいったんすべて自宅へ持ち帰らなければならない。
最低限しか置いていないとはいえ、布団や教科書、服、生活用品など……
ちょっとした引っ越し並みで、かなり大変だ。

ちなみに部屋替えは「一緒の部屋になりたい人同士」が
一枚の用紙に記名して提出するらしい。
なんだか婚姻届みたいで笑う。

夏休み中は、息子も自宅に帰ってきた。
この年はコロナ禍で我慢していた海外旅行にも行き、
久しぶりに羽を伸ばしていた。

9月中旬、帰寮して後期授業がスタート。
高専ではホームルームや授業を欠席すると、
保護者にメールが届く仕組みだ。


🌄 朝起きられない息子

秋が過ぎ、冬が近づくころ。
保護者あての欠席メールが少しずつ増えはじめた。

最初は「ホームルームだけ」。
そのうち授業も。

理由を聞くと「頭痛かったから」。
でも実際は、夜中までゲームをして寝落ち。
朝起きられない、昼夜逆転の生活になっていた。

入寮当初は
「朝ご飯は量が多いけど、味噌汁とココアが好き」と言っていたのに、
いつの間にか
「パンとココアだけ」→「朝ご飯食べてない」に。

友達が朝ご飯を抜いているのを見て
「その分、もっと寝られる!」
と思ったらしい。

7:20の点呼ではベッドから出てICカードをかざし、
すぐベッドに戻って二度寝。
アラームもセットせずに、だ。

これでは起きられるはずがない。


📉 成績、坂道を転げ落ちる

そして、成績はみるみる下がっていった。
担任の先生は親身に連絡をくれ、
メールや電話、面談も実施。

私は何度も高専と自宅を往復した。

パソコンでもスマホでもゲームができる時代。
息子も「このままではダメ」と分かっていながら、やめられなかった。

進級も危うくなった。
規定の単位以上を落とすと、再試も受けられず留年になる。

結果、息子はギリギリでアウト――のところを、
神ルームメイトが救ってくれた。

提出していなかったプリントに気づいて
「それ出してないよ」と声をかけてくれたのだ。

そのおかげで、なんとか再試のチャンスをもらえた。


📘 再試、母も参戦

春休み中に、2教科だけ再試を受けられることになった。
だが、これに落ちれば留年。
まさに崖っぷちだ。

息子と一緒に学習スケジュールを立て、取り組んだ。
対象は英語と国語。

英語の再試を受けるには、
事前にオンラインの単語テストで満点を取る必要がある。

だが息子は単語帳を眺めるだけ。
何度やっても満点に届かない。

「書いて覚えなさい!」と言っても書かない。
間違った単語をピックアップすることもなし。

痺れを切らして、私は手書きのオリジナル単語テストを作った。
小学生でも中学生でもない、高専生の息子にだ。

「私も一緒に覚える。10分後、テストで勝負!」

まるで幼児教育だが、もうなりふり構っていられない。

息子は不機嫌。
私はキレそうになるのをこらえた。

10分後、結果は私の圧勝!
(息子とは気合いが違う!)

そんな勝負を何度も繰り返し、
ようやくオンラインで満点を取り、再試の権利をゲットした。
(実は私も横で一緒に挑んでた🤫)


🎓 再試の結果

3月、2教科の再試当日。
春休みで閉寮中のため、私が送迎した。

遠いしアクセス悪いしで、前日に出発しないと間に合わないのだ。
自分の再試なんだから自分で行くべきだが、仕方ない。

その日のうちに結果が出た。
70点台と80点台。

ギリギリだけど合格!

もし留年していたら、夫に
「学校やめさせろ」
と言われていた。

だから心底ホッとした。

こうして、息子はなんとか
2年生に進級できた。

まるる

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